野村萬斎さん佐賀・唐津で舞う 来年3月、能「籠太鼓」公演(佐賀新聞)

  • 2018-8-31

 唐津市浜玉町で実際にあった出来事を戯曲化した能「籠太鼓(ろうだいこ)」をメインにした来年3月の唐津公演に、狂言師野村萬斎さん(52)が出演する。唐津に関わりがある四つの演目を紹介する「唐津・能の里づくり実行委員会」のシリーズ公演で、会の活動を支える唐津出身の能楽師多久島利之さん(71)法子さん(37)親子と、東京五輪の式典統括で“時の人”となった野村さんの共演が実現する。

 籠太鼓は脱獄した夫の身代わりに牢(ろう=籠)に入れられた妻が、夫を慕うあまり狂乱して牢に掛けてある鼓を打って舞うと、同情した領主が夫婦を許すという物語。世阿弥(ぜあみ)の作と言われ、男女の恋愛物の中で「狂女物」として異彩を放つ。

 同実行委員会は2016年に「松浦佐用姫」、昨年は「玉鬘(たまかずら)」を上演した。今回の「籠太鼓」上演に際し、「幅広い層に能の魅力を知ってもらおう」と、東京芸術大で野村さんに狂言を習った多久島法子さんを介し1月、出演を依頼した。

 野村さんはただでさえ多忙で、唐津は来たことがなく、しかも演目は上演回数が少ない籠太鼓。多久島さんが野村さんに直接電話したところ、「えっ、唐津で、籠太鼓?」という反応だったが、「唐津のみんなが待ってますと、口説き落としました」と多久島さん。

 籠太鼓は多久島利之さんをシテ役に、野村さんは観客サービスもあり、面を付けない「間狂言」(牢番役)で出演し、狂言「鍋八撥(なべやつばち)」も上演。人間国宝の大槻文藏さんが仕舞「頼政」、多久島法子さんが半能「天鼓」を演じる豪華な内容だ。

 実行委員会の樋口宏会長(78)は「タイミング良く、野村さんの東京五輪総合統括就任という話題性が加わった。会場を満員にしたい」と意気込む。

 公演は3月30日午後1時半から唐津市民会館大ホールで。入場券はS指定(1階)5000円、A指定(2階)4000円など。9月1日から同市民会館や佐賀玉屋プレイガイドなどで販売する。問い合わせは樋口さん、電話090(8354)8170。

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